日本健康行動科学会
Health and Behavior Sciences
理事長挨拶
これまで、子どもから高齢者までの健康について論じる場合、身体的な側面や認知面など、断片的にアプローチされることが多く、身体と脳の両面からアプローチを試みた学術団体は、ほとんどありませんでした。このようなことを背景に、子どもから高齢者までのそれぞれの世代の人々が抱える健康に関する多岐にわたる問題をさまざまな学問領域から総括的に捉えることを念頭に、日本大学の森昭雄先生を中心に本学会が発足いたしました。
本学会の使命は、時代に即した健康科学の問題点の指摘と、健康づくりの新しい方法論を提示することであります。そのための大きな柱として、学術誌の発行と学術大会の開催があります。学術誌につきましては、年2回、毎回約3編以上の論文が掲載されています。英語で書かれた論文も多く、会員の皆様方の活動の高さが反映されております。もう一つの柱であります学術大会におきましては、一般演題、招待講演等に加えて、研究を進める上で核となること、および実践場面における生の声などに対して多角的にディスカッションをすることを大切にするために、企画(ミニシンポジウム等)を設けてきました。このような企画は、会員の皆様の活発な情報交換の場となっております。
学会をさらに充実させるためには、会員数を増やすことも不可欠です。健康行動について多角的にディスカッションをするためにも、関連するいろいろな分野(運動生理学、神経生理学、健康教育学、発育発達学、老年医学、理学療法学、作業療法学、看護学、柔道整復学、栄養学、介護福祉等)の多くの人の参加を触発したいと考えております。
以上のように、学会発足の経緯とこれまでの学会活動について、前理事長の藤原勝夫先生からお話を伺い、バトンを受けました。時代に即した健康科学の問題点の指摘と、健康づくりの新しい方法論の提示に貢献できるように、これから先も、皆様とともに進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。